「そもそもお遍路って何?」
「どうやって巡るの?」
「服装は決まっているの?」
「参拝の仕方を知りたい」
知りたいことがたくさんあると思います。
お遍路さんの「みちしるべ」は、1つではないのです。
だからこそ、自分にあった道が何なのか分からないですよね?
ぜひ最後まで読んでお遍路さんのイメージを掴んでみてください。
お遍路さんとは?
お遍路さんの魅力
- 住民との交流
私にとっては、方言で話しかけてくれることで、私を受け入れてくれたと感じ、とても心地よかったです。 - 「人は生かされている」 再認識
思い通りに行かないことが起きた時、助けてもらうことを経験します。 - 感謝の気持ち
お遍路さんは、心の中で、弘法大師様がそばで見守ってくれている、と思いながら霊場を巡ります。 - 四国の大自然の中で自然共生を体感
- 自分と向き合う時間
多くの霊場を巡り、読経(どきょう)することで、自分と向き合う時間ができます。
読経は、上手に読めなくても気にしないでください。心の中で祈るだけでも伝わります。 - 達成感
四国八十八ヶ所の霊場を全て巡り終えた時の達成感は、やった人にしか味わえません。
山道もありますので、簡単に全てを巡るのは、とても大変なことです。
初めてのお遍路さん!押さえておきたい 5 Point!
巡り方を比較!
自転車
メリット
- 晴天の時は、体全体で感じる爽快感
- 歩きよりも足の負担は少ない
- 小回りが利くので自分のペースで回りやすい
- 駐車場代が無料
デメリット
- 天候・山道などにより快適さが左右される
- 雨対策(お遍路巡りに必要なアイテムである御朱印帳など紙類の保管方法)
- 自転車の不具合が起きた場合の対応
坂道が多いので、ロードバイクをオススメします。
私が歩きお遍路をしていた時に出会った男性の自転車はこちらです。
バイク
メリット
- 晴天の時は、体全体で感じる爽快感
- 機動性の良さ
- 車では通れない細い道でも、小回りの利くバイクでは通行できるため、行動範囲が広がる
- バイク専用の駐車場は車用駐車場に比べて安い、または無料なことが多い
デメリット
- 天候・山道などにより快適さが左右される
- 雨対策(お遍路巡りに必要なアイテムである御朱印帳など紙類の保管方法)
歩き
メリット
- 自分のペースで、景色・場所を楽しむことができる
- 現地の方と接する機会が多い
- 自分のペースで歩ける
- 天候や体調や状況により、公共交通機関を使うことができる
- 早寝早起が自然にできる
- 結願の達成感は格別です!
デメリット
- 天候により快適さが左右される
- 雨対策
- 持ち物を最小限にしなければならない
- トイレに行きたい時に近くにない
- 宿の予約のタイミングが難しい
- 結願までに時間がかかる
- お金がかかる
まずは、ちょっと歩いてみる!
1番から5番までは、舗装道路のみで歩きやすいです。
1日で歩けますので、歩いて様子を見てみるのはいかがでしょうか。
意外な真実!
歩きお遍路は「贅沢な旅」と言われています!
理由1 健康であること
理由2 時間があること
理由3 ほかの方法に比べてお金がかかること
理由4 環境や条件が良いこと
上の条件が揃わないと、挑めないからです。
たとえば、身の回りに介護を要する家族がいたら家を空けられないですよね!

ご参考までに、私が活用しているマップブックをご紹介します!
【みんなのへんろ】が発行している「みんなでつくった遍路地図」
お遍路体験者からの情報を集めて、アップデートしてくれています。
公共交通機関
メリット
- 天気に左右されない
- 時には歩くことに変更できる
デメリット
- いつでもどこでも乗車できない
- バスは交通渋滞の影響により、遅延は日常茶飯事
- 乗り継ぎが悪いため、乗り遅れると予定通りお寺を巡れない可能性あり

公共交通機関を利用して巡るコースを紹介したハンドブック「四国88NAVI」がネットからも見れます!
なお、郵送を希望の方にも対応してくれます。
「四国88NAVI」で検索してね!
マイカー・レンタカー
メリット
- 体力的に不安を解消してくれる
- 観光もコースに組み込んで好きなペースで巡ることができる
- 季節に左右されない
- 大きな荷物・重い荷物でも問題なし
- 札所付近に宿がなくても、宿の多い地区に移動可能。マナー遵守で車中泊可能
- 費用をおさえることができる(食費・宿泊費など)
デメリット
- 運転時の集中力欠如による危険性のリスク
- ナビを使っても、山道が多い為、迷う可能性大
- 山道の細い道での出合頭により、運転に苦戦する
- 駐車場代やガソリン代がかかる
最後は自分の足で!
駐車場から山門まで長い階段があるお寺もあります。
バスツアー・タクシー
メリット
- 体力的に不安を解消してくれる
- ガイドに全てお任せできる
- ツアーによっては事前の説明会がある
- 旅行会社が、服装、持ち物・参拝の仕方など全てサポートしてくれます
- タクシーだと「観光も楽しみたい!」「相乗りで費用を押さえたい!」などリクエストに応じて対応してくれます
デメリット
- 団体行動を守る
- 長時間において自由に動くことが難しい

団体行動が苦手、家族や知人だけで巡りたい、でも体力に自信がない、調べるのが面倒!
企画から相談までフルサポートを受けられるタクシーはおすすめです!
季節
お遍路さんが集中する時期は、春と秋です。
気候が良いので移動しやすいからです。

夏と冬の季節は、こちらを参考に検討してみてください。
メリット
- 直前でも宿の予約が取れます。
- 年末年始以外ですと、冬はオフシーズンなので宿泊費が安いです。
- 静かに参拝できる。納経所が混まない。
- 歩きお遍路の場合:夏は日照時間が長いので、活動時間が長くなります。
- 夏は服装が薄着なので衣類の量が少ないです。
デメリット
- オフシーズンなので、営業していない宿があります。
- 雪山は危険を伴います。
- 台風の影響で、断念せざるおえない場合があります。
- 歩きお遍路の場合:冬は日照時間が短いので、活動時間が短くなります。
- 歩きお遍路の場合:夏は熱中症の恐れがあるため、長時間歩くリスクがあります。
- 冬は日中の寒暖差が激しいため、衣類の量が多くなります。
持ち物
山谷袋(さんやぶくろ)とは?
参拝の際に必要な小物アイテムを入れる袋です。頭陀袋(ずだぶくろ)ともいいます。
山谷袋に入れる小物
- 納経帳(2000〜4000円 ネットで購入可)
- 納め札(50枚100円 ネットで購入可) 各お寺で2枚
- ロウソク(100均で販売している燃焼時間5分で十分) 各お寺で2本
- お線香(こちらも100均で購入可能) 各お寺で6本
- ライター
- 経本(400〜900円 ネットで購入可)
- 数珠
- お賽銭
私は、楽天ポイントが欲しかったので、楽天経由で「伊予鉄てくてくおへんろさん」、「お遍路用品のいっぽ一歩堂」から購入しました。
お遍路用の山谷袋が必須ということではないです。専用のバックはそれなりの機能性はあります。
私がお遍路用に購入したバックは、普段でも使えることを考えてこちらの商品を購入しました。
納経帳が横にして入ります。
納経帳サイズ:縦27.8cm×横19.3cm×2.1cm(ビニールカバー含む)
ショルダーバッグ 3700円(税込)

歩きお遍路には 「リュック」選びが重要!
リュックは、7キロぐらいまでが理想です。
これ以上重いと、山道を歩くにも、普通に歩くにも、キツイです。
7キロを背負って歩くのも大変ですので、それなりの体力はつけておきましょう。
実際、山谷袋もリュックに入れて歩いた方が快適に歩けます。
それを考慮すると、容量30Lが最適だと思います。
参考までに、私が愛用している女性向けモンベルリュックをご紹介します。
私は、2週間このリュックでお遍路しました。
文句なし。軽くて高い防水性を備えています。
アルパイン ライトパック 30 Women’s (容量30L) 22,000円(税込)

なるべく荷物を少なくするための判断基準!
- 無くて困る物は、持っていきます。
- あれば便利な物は、持っていかない。
服装
お遍路さんの服装は、フル装備でなくても問題ないです。
基本の3点と言われているものをご紹介します。
私は、基本3点の内、白衣(袖なし)のみです。
白衣以外の服装は、動きやすい服装です。
白にこだわる必要はないです。
- 白衣(びゃくい) 袖付・袖なし 2500〜4500円
背中に「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう」と書かれています。
- 輪袈裟(わげさ) 1500〜5500円
輪袈裟だけの方もいらっしゃいます。霊場参拝の正装具と言われています。 - 金剛杖(こんごうづえ) 2300円〜4200円
多くのお遍路さんは、お寺、宿、立ち寄った場所に忘れる方が多いです。
首に掛けているのが「輪袈裟」
右手に持っているのが「金剛杖」
私の白衣は、楽天ポイントが欲しかったので、楽天経由で「伊予鉄てくてくおへんろさん」から購入しました。

巡り方により必要なもの!
日除け・雨除け・雪除けになる「菅笠」はとても役に立ちます。
顔の日焼け予防に「日焼け止めクリーム」と「耳掛けフェイスカバー」
首の後の日焼け予防に「ネックガード(黒色)」を付けています。

菅笠を被ってみて感じること
菅笠の内側にある竹製のリング状のパーツ「五徳(ごとく)」があります。
五徳に頭を入れて被るのですが、色々な問題や悩みがあります。
その悩みを解決してくれる製品がこちら!
サイズ調整・破損の軽減・痛みの軽減などを解決してくれます。
私は、直接五徳を被るのではなく、ヘッドカバー(または手拭い)で頭をカバーしてから、五徳を被っていました。
【お遍路用品のいっぽ一歩堂】 五徳商品

お遍路用語
お遍路さん同士、地元の方との会話で知っておくべき用語をご紹介します。
【打つ】
霊場を巡ることを「打つ」と言います。
通し打ち:すべての札所を一度に巡る方法
区切り打ち:区間を区切って巡る方法
順打ち:1番札所から番号順に巡る方法
逆打ち:88番札所から番号を遡って1番札所まで巡る方法
【札所(ふだしょ)】
お遍路で参拝する八十八ヶ所のお寺のことを札所と言います。
【同行二人(どうぎょうににん)】
弘法大師とともに歩いて修行していること
【お接待(おせったい)】
住民の方が、飲食物、時として車に乗せてあげる、など無償の行為のことを「お接待」と言います。住民は、お遍路さんを純粋に応援し、労う気持ちを持っています。お遍路さんへの気遣いと共に、弘法大師様への思い、信仰に基づく行為でもあります。
【金剛杖(こんごうづえ)】
空・風・火・水・地を表した木製の杖です。
杖は弘法大師様の化身であり、杖を持つことで弘法大師様と共に四国遍路を巡拝できるといわれています。
【山谷袋(さんやぶくろ)】
参拝の際に必要な小物アイテムを入れる袋です。
【納め札(おさめふだ)】
参拝の際に納める紙の札です。納め札には、住所、氏名、年齢、参拝年月日、願い事を記入します。お接待を受けた際の御礼として、お渡しする風習もあります。
【納経帳(のうきょうちょう)】
お寺で参拝し、読経・納め札・(写経)奉納して、縁を結びました、という証として墨書と御朱印をいただくための帳面です。
お遍路・巡礼の際に使われます。
納経料:納経帳500円、白衣300円、掛け軸700円
【御影札(みえいふだ)】
お寺のご本尊が描かれたお札です。納経してもらうと一緒に御影札をいただくことができます。
【公認先達(こうにんせんだつ)】
(一社)四国八十八ヶ所霊場会に公式に認められた先達のことです。
【結願(けちがん)】
四国八十八ヶ所の霊場をすべて巡り終えること
【満願(まんがん)】
結願し、和歌山県高野山の奥の院に参拝すると満願になります。
【へんろ道】
霊場寺院を結ぶ歩き道 約1400km
お遍路さんになる際の注意点
心得
お寺を巡っていくうちに心の変化に気づくと思います。
聖域に足を踏み込むわけですから、作法や決まりごとを理解し、意義を心に刻んでおけば、お遍路がいっそう深められると思います。ご本尊さま、お大師さまに丁寧にお祈りしてください。
作法1
鐘を撞くのを忘れたからといって、帰りに鐘を撞くことは「戻り鐘」と言って、出金や死者を送る鐘という意味になってします。特に気にせず、次のお寺で鐘を撞きましょう。
鐘を撞く意味は、仏様に届けるためです。優しく撞いてください。ご近所迷惑にならないよう早朝に撞くのを控えましょう。
作法2
境内は左側を歩いてください。山門をくぐってから時計回りで参拝します。
作法3
もらい火はしない。他人のローソクの火を使う、他人から火をもらう行為を「もらい火」と言います。他人の悪縁や災いをもらい受けることになるので、避けた方が良いですね。
作法4
参拝の際には、端で読経して、譲り合いの気持ちを大切にしましょう。
作法5
参拝の際には、たくさんの方が利用できるように、蝋燭は奥から、お線香は中央から置いてください。
作法6
お賽銭は気持ちです。5円玉については、事前に用意しておくことをお勧めします。
とても稀ですが、300円を5円玉束(60枚)で用意してくれているお寺がありました。
感謝やお礼の気持ちですので、投げ込まずそっとお賽銭を入れるのが礼儀になります。
作法7
金剛杖は弘法大師様の化身でもあります。神聖なるものを大事にする、清めるという意味で、1日の終わりには、地面に接触した先の部分を洗い清めましょう。
作法8
橋の上では杖を付かないでください。橋の下で弘法大師様がお休みになっている可能性があると言われています。
作法9
お接待を受けた際にお礼として納め札をお渡しします。
その時は、参拝の時の納め札と違い、願い事は書きません。
思いがけない場面でお接待を受けますので、すぐに納め札を出せないケースがあると思います。
その時は丁寧にお礼をして、恩恵を受けることで十分です。
参拝方法
お寺に到着してからの参拝の流れを簡単にお伝えします。
- 山門から入る
- 手水場(ちょうずば)で手と口を清める
- 鐘楼(しょうろう)で鐘を撞く
- 本堂でお参り(蝋燭・お線香を立てる→納め札とお賽銭を納めて合掌→お経、または、写経を奉納)
- 大師堂でお参り(本堂と同じ)
- 納経所で納経帳に墨書・ご朱印・御影札をいただく
- 山門を出る前に一礼

納め札と写経の奉納する場所は、このように分かりやすいです!

納経所の場所はお寺によって様々です。このような看板がある所もあります!
カワイイ!
納経には、2つの方法があります。
・「読経(どきょう)」です。経本に従いお経をよんで納経する方法
・「写経」を納める方法
私は、お経、写経(各お寺に2枚)の両方を奉納しています。
トイレマナー
お遍路文化は、地域住民の善意によりここまで存続されています。
マナーを守りましょう。
不浄なところには、神聖なる物(輪袈裟・菅笠・金剛杖・数珠・山谷袋)を持ち込まないようにしましょう。
お寺には、荷物を置ける台や椅子があります。
宿泊先
ビジネスホテルでもお遍路宿でも、予約の際は、お遍路さんで宿泊することを伝えてください。
お遍路さん以外にも四国を訪れる観光客はいらっしゃいます。
宿泊施設によりますが、お遍路さんへのちょっとしたサービスが用意されているところがあります。
事前連絡と確認は大切!
お遍路さんにとっては、食事とお風呂は最高のご褒美です。
宿の方は、万全な状態で準備をして、待ってくださっています。
お互いが気持ちよく過ごせるように、遅れる場合は早めに連絡を入れましょう。
もし時間を潰せる場所がなく、チェックイン時間より早く宿に到着する場合は、宿に相談してみてください。
うれしい返答が来ることもあります!
現金支払いのみの宿もありますので、予約の際に支払い方法を忘れず確認してください。
キャンセル料金がいつから発生するのかも忘れずに確認をしましょう。
まとめ
私がお遍路を始める時の心情は、スキューバーダイビングを始める時と同じでした。
私は、海に潜るまでは、不安と恐怖でいっぱいでしたが、インストラクターが私を守ってくれると信じ、思い切って潜りました。
海に潜ってみると、そこは別世界!
しばらくすると、私の心は穏やかになりました。
まさに、私が初めてお遍路さんの格好になり、リュックを背負って歩き始めた時に見た風景、そして、心情の変化が同じなのです。
四国の大自然、空気、そして、住民の穏やかな風貌により、私の心は穏やかになり、前向きな気持ちに変わって行きました。
スキューバーダイビング後は、ずっと浮遊状態の感覚で、ぐっすり寝ることができます。
お遍路さんの1日の最後も同じです。
できるかできないか考える前に、まずは、ちょっとやってみる!
あえていつもと違う環境に自分を置くことで、見えてくるもの、思考が変わるものです!
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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