お遍路の途中、久しぶりに ajisai に会いに行った。
ajisaiとの出会いは、2013年の100キロウォーク大会だった。
たまたま歩くペースが合って、いつの間にか一緒に歩いていた私たち。
夜も更け、あたりは真っ暗。
100キロウォークも後半になると、眠気との戦いが始まる。
そんな夜道で、ajisai は自分の過去について話し始めた。
それはきっと、誰にでも簡単に話せるようなことではなかったと思う。
できることなら人には見せたくない自分。
思い出したくない時期。
人生で大きくつまずいてしまった頃のこと。
初対面の私に、そこまで話してくれるんだ……。
私は驚きながら、ただひたすら聞いていた。
それまでの私の身の回りには、ajisai が経験してきたような世界を生きた人はいなかった。
隣から聞こえてくる ajisai の声や話し方と、語られている過去。
「この人に、本当にそんな時代があったんだ……」
想像できるような、できないような。
なんとも不思議な感覚だった。
真っ暗な100キロの夜道。
顔さえよく見えない中で、たまたま歩くペースが合った二人。
出会ったばかりなのに、聞いているのは人生のかなり深いところ。
私はいつの間にか ajisai の話に引き込まれ、
気がつけば
眠気なんて、すっかり吹っ飛んでいた。
そして、ajisai とのご縁は100キロを歩き終えたところで終わらなかった。
大会のあと、あの夜にイヤホンで聴かせてもらった ajisai の曲がきっかけとなり、話は思わぬ方向へ。
「100キロウォーク大会のテーマ曲を作ろう!」
そんな流れから、
私が詞を書き、ajisai が曲をつけることになった。
あの真っ暗な夜道で、たまたま歩くペースが合った二人が、
今度はひとつの曲を一緒に作る。
私が作詞、ajisai が作曲。
なんだか不思議だ。
あの夜、歩くペースが少し違っていたら。
あの場所で出会っていなかったら。
ajisai がイヤホンを渡してくれなかったら。
この曲は、生まれていなかったかもしれない。
たまたま同じ道を、同じペースで歩いたことから始まったご縁。
それが一曲の音楽になりました。
その後、ajisai は生活の拠点を愛媛へ移した。
林業という仕事に向き合い、家族を支え、
今ではすっかり頼もしいお父さん。
そして今回、お遍路で愛媛を歩く私とajisaiの道が、久しぶりにまた交わった。
あの100キロの真っ暗な夜には、
こんな未来が待っているなんて想像もしなかった。
人生には、いろんな道がある。
遠回りすることもあれば、
立ち止まることもある。
思ってもいなかった方向へ進むことだってある。
でも、どんな道を通ってきたとしても、
その先には、まだ新しい道が続いている。
ajisai、これからも家族と一緒に、
ajisai らしく歩いていってね。
100キロのあの夜に、たまたま道が交わった一人として、
これからの ajisai と家族の人生を応援しています。
まだまだ人生は、ここから。
ajisai、いい道を歩いていってね!


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